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更新 2017.08.25

近年のスマホ修理業界、登録修理業者とは?登録修理業者が生まれた経緯と課題

総務省ホームページ(登録修理業者の情報について)

出典:総務省 電波利用ホームページ | 登録修理業者制度

1. サービス修理事業業者は5つに大別できる

iPhoneをはじめとするスマホ(スマートフォン)は、テレビなどの電化製品とはちがい、普段から屋内外問わず持ち歩きます。

そのため、朝起きてから夜寝るまで使うため、手をすべらせる、すれちがいざまに人に当たるなどして落とす機会も多く、破損・故障しやすいというのが特徴だといえます。

近年のスマホ修理業界、登録修理業者とは?登録修理業者が生まれた経緯と課題
そのような事故において、スマホはこれまでのフィーチャーフォン(ガラケー)と違い、画面がむき出しでしかも画面が大きいのが製品特徴なので、画面が割れてしまうケースがほとんどのようです。
画面のひび割れは、ディスプレイが見にくくなるだけではなく、スワイプ時に手指を傷つけるおそれがあるため、使い続けず早急に修理をしたいところです。

そんなときに真っ先に修理依頼をイメージするのがメーカーなのですが、近年爆発的に普及したスマホや情報端末においては製造体制や製造拠点が中国などの海外に充実している一方で、修理サービスとなると国内の体制が充実しているとはいいがたい状況です。
ことさらApple iPhoneに関しては、次のような特殊な状況となっています。

iPhoneの修理に関わるサービス事業業者は次の5つに大別できます。

① Apple(メーカー)
② iPhone販売店(キャリアショップ)
③ Apple正規サービスプロバイダー
④ サードパーティーの修理業者
⑤ 登録修理業者

①Apple

iPhoneのメーカーでもあり、iPhoneほかApple製品の販売や修理の拠点として、直営店であるApple Storeは全国7箇所あります(2017年現在)。東京都内だけで3店舗、銀座、渋谷、表参道、そのほか仙台、名古屋、心斎橋、福岡天神に店舗があります。全国サービスとして郵送対応のApple Expressサービスもあります。
ただし、国内のiPhoneユーザーの総数に比べ、全国に7拠点という受付は常に混雑していて、完全に治るまで数週間かかることもザラです。
メーカーであるApple Store では修理と交換がありますが、少しの傷や軽微な故障でも交換となるケースが多いようです。愛着をもって使っていたスマホが心の準備なしに交換されるのもちょっと考えものです。

②iPhone販売店

多くの方がよくiPhoneを購入されるのはこの携帯ショップ(ドコモショップ、auショップ、ソフトバンクショップ、ワイモバイルショップ、ヤマダ電機などの家電量販店の携帯コーナーなど)だと思います。
iPhoneの販売においては正規代理店であるこれらのお店も、修理となると事情が異なり、これらショップ自体では対応してくれることはほとんどありません。一部のショップを除き大半の携帯ショップでは「Appleまたは修理サービス業者へお願いします」という案内をされるということがほとんどです。

③Apple正規サービスプロバイダー

カメラのキタムラ、ビックカメラ、クイックガレージなどメーカーであるApple社とサービス提供連携、いわば正規代理店にある修理事業者です。
全国に約90店舗ほどありますが、②のApple Storeを入れても全国100拠点に満たないのが現実です。
そのため、②と同様の状況で常に混雑していて、修理を受けられるまで日単位で時間がかかることが多いです。

①のApple Storeと異なる点としては、ビックカメラやカメラのキタムラなど代理店ごとのサービスとなるため、対応基準、サービス内容等は各社異なります。いずれもAppleの修理工場への窓口カウンターという立場のため、原則修理対応は預かり対応となります。症状ごとにおける修理、本体交換診断は依頼後となります。
そのため修理のつもりで依頼しても本体交換価格となるケースも多く、料金が大きく異なるため、Apple Careに加入しているか確認と注意が必要です。修理対応、本体交換のいずれにせよ端末内のデータはすべて消去されてしまいます。

④サードパーティーの修理業者

Appleとは正規の代理店契約のない修理店で、「非正規店、第3者修理、サードパーティーの修理業者」と呼ばれる、いわゆる街の修理業者で全国に1500店程度あります。よく言えば充実している、わるく言えば乱立しています。

サードパーティーの業者のメリットは、待たなくていい、安い、30分~即日で治るという点で、魅力的です。しかし、デメリットについては詳細を後述します。

そして、登録修理業者となります。

2. 登録修理業者の制度とは・他店舗との違い

近年のスマホ修理業界、登録修理業者とは?登録修理業者が生まれた経緯と課題

登録修理業者とは、一言でわかりやすくいいますと、サードパーティーの修理業者のなかでも、「国がお墨付きを与えたスマホ修理業者」だといえます。

2015年4月1日より、国は、要件などを満たした修理業者が総務大臣の登録を受けることができる「登録修理業者」制度を導入しました。

登録修理業者は、スマホなどの修理の箇所や方法が適正で、修理後、技術基準にきちんと適合していて問題がないことを確認・証明できることなどが条件となっています。

3. どうして登録修理業者が生まれたのか?

2010年のスマホ保有率は10%に満たなかったものが、わずか3年で60%超まで爆発的に増え、今は格安スマホの出現などにより保有率はもっと高くなっています。

スマホが普及し、破損・故障させてしまう人も増え、修理件数は自然増加したといえます。

近年のスマホ修理業界、登録修理業者とは?登録修理業者が生まれた経緯と課題
本来、スマホの工事設計について認証を受けているメーカーが、工事設計の範囲内で修理をするのが一般的です。

しかし、メーカーだけでは対応が追いつかないというのも事実で、一旦、修理に出すと、しばらくは戻ってこないうえ、修理代も決して安くはありません。

「なるべく代替機を借りずに、メーカーに長期、預けることなく、安価で修理ができれば…」

というユーザーの願いをかなえるかのように登場したのが非正規店、街の修理業者です。

即日修理・格安という謳い文句はたしかに魅力的です。

しかし、スマホは特別特定無線設備といい、電波法の適用を受けています。

電波法では技適マークが付いていない無線機を国内で使用することを禁じています。

もちろん、携帯キャリアや家電量販店、メーカーで購入したスマホであれば、この技適マークが付いています。

工事設計認証を受けたメーカーとその受託業者及び登録修理業者以外の業者がスマホなどを修理した場合、技適マークを除去しなければならない場合があり、街の修理業者が修理をすることで技適マークが外れたスマホが生み出されていくのです。

国もスマホ業界も、この現状はあくまでも通過点だと考えています。将来的には、日本でも海外のように「製造」と「アフターサービス」は分業となり、サードパーティーの修理業が普及していく可能性が高いとしているのです。

サードパーティーの修理業を整備、適性化していくという国の経済方針・国策が登録修理業者の制度化に至った理由です。

そのうち、業界を縮小、寿命を短くさせるような違法なスマホを日々、増やし続けるような業者は淘汰されていき、知らずに技適マークのないスマホを使用し続けるユーザーも根絶していくでしょう。

4. とはいえ、まだまだ登録修理業者は意外と少ない

登録修理業者はこちらで確認することができます。

(総務省HP 登録修理業者一覧)

登録修理業者(2017年8月現在)

登録修理業者になるために必要となるのは、電波法違反にならないための修理品質のチェック、修理部品仕入れの適正化、情報管理体制の徹底など、非正規店では実現できない圧倒的な企業努力が必要となります。

そのため、上記URLで確認すればわかるように、登録修理業者は意外と少ないのです。

非正規店などは、メーカーから正式な修理委託を受けていないと推定できます。街の修理業者に一度でも依頼をしたことがある方は、知らずに違法なスマホを使っている可能性もあるのです。

5. 今後のスマホ修理業界の課題点

近年のスマホ修理業界、登録修理業者とは?登録修理業者が生まれた経緯と課題

登録修理業者制度の導入により、街の修理業者は順次、申請を行って登録修理業者に鞍替えしていくものだと思うのが通常です。

しかし、2017年6月2日までに認定された登録修理業者は23社で、想像以上に少ないのです。

その大きな理由としては、多大なコスト負担が挙げられています。

登録修理業者の要件に“修理されたスマホが技術基準に適合することを確認できる“という旨の定めがあり、その試験コストは1機種100万円以上ともいわれています。

そのため、登録修理業者への鞍替えを選択できないでいる中小の業者をどのように導いていくのかが課題だといえます。

街の修理業者に格安で即日修理してほしいと願うスマホユーザーのなかには、技適マークが除去される可能性があることを知らずに頼む方も多いと思いますので、現状の周知体制では不十分であり、どう知らせていくのかも課題です。

確実に技適マークが残る登録修理業者であれば、安心して修理に出せるため、順次、増えてほしいところです。

たとえば、コストが高い試験を免除し、未登録修理業者に修理時、技適マーク除去について説明することを義務付ければいいのかもしれません。

しかし、技術基準を満たす担保がなくなるうえ、技適マークがなくてもいいと考える方は街の修理業者に依頼するでしょうから、抜本的な解決にはなりません。

どのようにして技術基準を満たす登録修理業者の拡大を図っていくか
修理業者は仕様や部品の開示をメーカーに決断させるためにはどう働きかけるのがいいのか

Win-Winとなれる解決策を見出していくこと、これもスマホ修理業界の今後の課題だといえます。

6. まとめ

スマホの修理の重いものはメーカーに、サードパーティの修理業者への依頼なら登録修理業者がおすすめ

近年のスマホ修理業界、登録修理業者とは?登録修理業者が生まれた経緯と課題

スマホ修理において負担すべき費用は、部品の原価、修理を行った作業者の人件費、設備費ですが、部品の原価が価格を決めているといっても過言ではありません。

スマホの部品には粗悪品から純正品に近いものまでさまざまで、安価な修理代と引き換えに手に入れる代償は粗悪品なのです。そのため品質がきちんとしていない店舗で修理を行ってしまうと、修理後に不具合をきたすケースも少なくありません。

粗悪品の取り扱いは、厳しく品質管理を徹底しているメーカーや国によって監査されている登録修理業者にはできないことです。
近年、iPhone修理店が街中にあふれている中、修理品質や部品がきちんとしているお店、消費者へ安い価格を提供するがゆえに粗悪な部品を使った修理を行っているお店、をぱっと見では見分けることは出来ませんが、登録修理業者制度という制度は国策の通り、消費者保護の観点から修理品質のバロメーターになるのではないかと考えています。

しっかりと法に適合した修理を行いたいのであれば、Appleをはじめとするメーカー・登録修理業者の実質2択となります。

ただ、ガラスをプレスする、基板をさわるなどの根本的な修理には、どんなに待たされても、費用が高くても設備の整った工場での修理が適正でメーカーに委ねるべきです。

しかし、全部品がそれぞれ機能ごとにパーツ化された最近のスマホは業界関係者から見てもインスタントな修理を想定しているように見え、大半の故障・破損はサードパーティの修理業者、登録修理業者による修理で十分だと考えています。

根本的な修理ではないかぎり、現状においては品質が国に保証され、また、待ち時間も費用もちょうどいい登録修理業者がオススメといえそうです。

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